博物館特別展 貝に沼る  


2025年2月


副題は、日本の貝類学研究300年史、となっています
古くは、江戸時代の標本が展示されています。これは、大阪府の文化財になっています。

貝というのは、昆虫と同じで、特別な道具とかは必要なく、大学の研究者等でなくってもアプローチしやすい分野とも言えます。そのため、在野の研究者が活躍して、その方の興味のある分野はプロの研究者をしのぐ成果をあげています。博物館にはその方々のまとまったコレクションが寄贈され、さらに研究が進むという良い循環が生まれているみたいです。

今回の特別展ではそれらのコレクションを紹介するとともに、副題の通り、貝の研究史がたどれる構成になっています。
まあ、単純に貝のきれいさとか、形の不思議さを見るだけでも価値は十分あります。

以下、いつものように画像の羅列になっています。解説などはご自分で展示をご覧になってください。

 


   


 


   



 


大阪府の文化財です。
よく、あちこちに出張しています。普段は博物館で、収蔵庫内で厳重に保管されています。


   


   


   


以下、古い書物は、大山桂さんが集めた全世界の図鑑、文献類に寄るところが大きいです。

 



   


 


 


以下、主要な貝の研究者の、紹介と業績です。本職とは別に研究されたおられた方が多くおられましたが、学校の先生や住職さんが多い印象がありました。

 

 

 

 


 

   

 

 


貝の新種というのは、通常はこういう形で論文として公開されるのですが、

   


   


下記のように、吉良はまだ正式には記載されていなかった貝を図鑑に載せていましたが、その改訂版では簡単な解説付きで出版したためそれが新種の記載論文として扱われた「事件」があったそうです。新種の記載に必要な学名は、黒田が仮に付けていたものをそのまま使っていました。


最初に出版された図鑑。写真と和名、(仮の)学名しか書かれていない。


図鑑の改訂版。貝の同定のための記載が書かれたため、これが新種記載の根拠になってしまった。


で、大山桂さんが激怒されたそうです。

 

 

 


大原さんは、あの有名なマチカネワニの発見者だそうです。普通なら、そんな大発見をされれば「その道」をまい進しそうなのにその後、カタツムリの研究をされたそうです。

   


   


昭和天皇が採集されたウミウシを新種記載されたそうです。

   

 


   

 

   

   


   


   


各専門家がご推薦の、幻の貝。
解説が非常に面白い。(読みにくい、読めなくってごめんなさい。)

 

 

 


研究者の、オリジナル道具紹介です。

 

 


各種標本の一例です。

   

   


   


カタツムリは移動距離が限られているため、長い年月が経過している間に各地で固有種として進化している例が多くあります。ここに外来の寄生虫が入ったため、それらの固有種、固有亜種が絶滅の危機に瀕しています。
ハワイでも各島に生息する種が絶滅、絶滅危惧となっている、って聞いたことがあります。