川西市郷土館        
2008年5月1日           



大路次川の調査が終わった帰り道に見つけました。古い家というのはそれなりに興味があります。さらに、鉱山資料云々と書いているので、それにも惹かれて入ってみることにしました。
300円、という事になっています。

入り口付近まで来ると、おばちゃん?お姉ちゃん?の話し声や笑い声。木戸をくぐると、ピンポン、と鳴って、あわてておば姉ちゃんが来ました。平日のこんな時間に来る人なんて、滅多にいないんでしょうね。

簡単な説明があって、母屋にはいると今度はCDラジカセのスイッチを入れてくれます。5分くらい、説明が流れます。


このあたり、江戸から明治にかけての鉱山がいっぱいあったところです。一部は昭和にも掘っていたはずです。一説には、奈良の大仏さんの銅、と言う話もあるらしいですが、これはちょっと眉唾物らしいです。私も、何カ所も穴を見つけています。
その鉱山で財をなした人の屋敷らしいですが、後継者がいなくって川西市が買い取り、保存しているものだそうです。
すごく掃除が行き届いていて、美しい建物でした。屋久杉の天井板とか、太い大黒柱とか、それはそれは見事な建物です。さらに、台所、風呂、トイレなんかも生活臭があって、つい何年も前まで金持ちのご主人様が生活していたような感じです。

これだけのものを残したのに継ぐ人がいないって、残念と言えばいいのか、仕方ないというのか。もう少し生まれるのが早かったら、婿か養子に来ればよかった。




中庭の手入れも、行き届いています。



このあたりの「菊炭」は有名。最近はNPO法人かなんかで作る技術を残している、って聞きました。


でもって、鉱山資料、と書いていたところ。
説明がいくつかと、道具がいくつか並んでいました。



(右)精錬した時に出来る滓。「金グソ」、って言われるそうです。私もこれを探して山中をさまよいました。「金グソ」と「ズリ」がそろえば、鉱山は近い。



この屋敷のすぐ横で精錬が行われていました。その遺構や痕跡がいくつか残されています。
(左)精錬所跡、だそうです。

(右)何十年も前のズリですが、植物はあまり生えないようです。ズリを見つけると今度はその上部を探索します。ほとんどは埋められた坑口が見つかりますが、まれには、開いたままになっています。何年か前までは、そうやって穴捜しに明け暮れていました。


どういう訳か、蔵を使って「箸」の展示があります。地元の「研究家」のコレクションだそうです。



同じ敷地に、「旧平賀邸」というのが移築されています。川西のどこかにあったらしい。
これも非常に手入れの行き届いた、すばらしい建物でした。




当然の事ながら、実際に生活していた家です。この写真に収まっていた人たちは、今はどうされているんでしょう?時代と歴史が興味深い。






同じ敷地内に、川西市ゆかりの画家の作品が展示された近代的な建物がありました。
すごく場違いだし、画というものには全く興味がないので、なんじゃこれ、って感じで、ぐるっと一周回っただけでした。



古い家の展示にありがちな、いかにも「終わってる」感じのしない、生活感のある建物でした。手入れがしっかりしているのと、今でも何か行事にでも使っているのでしょうか。まあ、300円の価値は十分ありますね。いいものを見たなあ、という感じでした。