野鳥カルテ           

2003年  7−9 

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2003年 1−3 4−6 7−9 10−12
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2005年 1−3 4−6 7−9 10−12



ヒヨドリ放鳥       9月26日
ヒヨドリ          9月11日
ピーピー鳴くカラス?  8月27日
さらにヒヨドリ      8月24日
手乗りヒヨドリ      8月19日
ドバトのその後     7月23日

さらにドバト       7月14日
ドバト           7月9日
その後のスズメ     7月9日
その後のカラスたち  7月9日
ツバメ          7月3日



ヒヨドリ放鳥
2003年9月26日


11日のヒヨドリを放鳥しました。
人の姿を見るとピーピー食事を催促しますが、自分でもよく食べるようになったので放鳥することにしました。
場所は長居公園で。原則は保護した場所ですが、まあ、よく動く鳥ですし、問題ないでしょう。
紅白のプラスチックリングを付けました。以前に、こういうバンディングに許可が必要なのかどうか、いろいろ調べたことがあるのですが結局わかりませんでした。少なくとも山科鳥研は、環境省の足環は付けて欲しくないようでした。長居には鳥の専門家がいるので万が一、再保護されれば連絡があるかもしれません。
低い枝に止まり、近くの葉っぱをかじっていました。相変わらず人の顔を見ると口を開けます。コオロギをいくつか与えて、30分ほど様子を見てからつらいお別れをしました。

放せないものかわいそう、ちょっと飼えば放すのもさびしい。




ヒヨドリ
2003年9月11日


HPをごらんになり、遠くから連れてきて下さいました。ありがとうございました。
巣立ちヒナと呼ぶには大きすぎます。外傷もなく元気そうで、人慣れしています。さらに、尾羽や風切り羽の痛み方が、そのつもりで見れば飼育した時の痛み方に似ているので飼われていた?可能性があるかもしれません。
下顎が少しゆがんでいるけどミルワームも上手に食べます。

どこかに書いたと思いますが、人工飼育した巣立ちヒナや傷病鳥を放鳥して、その後を調べた研究はほとんどありません。かすかな記憶では戦前に、実験的にツバメのヒナを多数巣から取り出し、育てて放鳥した実験を読んだことがあります。いくつかは翌年無事に帰ってきたようです。
人工飼育したフクロウを、鷹匠が野生へ返す訓練をしたのち放野していました。生き残る可能性は50%以下とおっしゃっていたように思います。もちろん、種類もケースもそれぞれなので一概にはいえませんが。

さて、この子を放鳥しても生き残れるのかどうか。自分で食事をして飛べるのであればいずれは放鳥せざるを得ないと思います。後は本人に任せるしか・・・・。

ヒナと呼ぶには少し大きい? 下の嘴が少しゆがむ。顎関節の脱臼?
羽の痛み方が普通じゃないと思うんですが?でも、切ったにしては中途半端。





ピーピー鳴くカラス?
2003年8月27日


カラスをひらって育てているけどなかなか飛ばない。どうすればいいか?との電話がありました。そのときはまあ、飼うしかないですねえ、外傷がなければ飛ぶ方に期待すればいかがです?といって電話を切りました。
それからかなりたってから、最近食事を食べない、とのことで、連れてこられると、

でした。
先入観とは恐ろしいもので、最初に真っ黒なんでカラスと思いこんでいたのでしょう。町の中でいきなりこれを見てもカラスとは思わなかったんでしょうが。
食事も鳩のエサを与えると喜んで食べていました。
あと1週間も飼えば飛べるようになりそうでした。




さらにヒヨドリ
2003年8月24日


この時期、ヒヨドリがよく落ちるし(というより、実際は巣立ち)、育てればよく育つ、と言う話でしたが残念ながら1晩で死亡しました。
実はこの子は自宅のご近所さんが連れてきた子。さらに聞くと、もう1羽いたという話もありました。
近所に巣を作り、子育てをしていたのでしょうか?やっぱり自然観察は家の近くから、ですね。




手乗りヒヨドリ
2003年8月19日


ヒヨドリを保護してある程度大きくなったが預かってもらえないか?との事で来院されました。
2週間ほど経っているそうです。羽も痛んでいない、痩せてもいない元気そうな子でした。
完全に手乗りで飛ぶ気がないのか、黙って手に収まっています。

こちらでもう少し大きくして野生復帰の訓練をしてほしい、との依頼でしたが、おそらくここまで慣れてしまうと野性に返しても自分で生きていけないのではないかと思います。私の場合、それを承知である程度大きくなったら放鳥しています。
かすかな可能性に期待して放すのか、個体の命ということで考えれば死ぬまで飼うのか?結論のでない問題と思いつつ、そこまで心配されるのなら飼ってあげてください、ということでお返ししました。
いわゆるペットの鳥は、みんなそんな生活をしているわけですし。

うちの子は頭乗りスズメ。鳥かごで長期飼育すると尾羽が痛む。
悪い飼育例ですが野性に帰る可能性がないので、と言い訳じみた弁解。




ドバトのその後
2003年7月23日


残念ながら14日のクルクルちゃん(神経症状でクルクル回るのでそう呼ばれていました)は死亡しました。どうもウイルス性の脳炎の可能性があります。後学のため病理解剖し、現在組織検査中です。
9日のハゲハゲちゃんは順調に羽が伸びて、ある程度飛べるようになったので都市公園に放鳥しました。

きれいにはえてます。 さて、どの子でしょうか?




さらにドバト
2003年7月14日


地下鉄の駅にいたそうです。ネットを見て連れてきて下さいました。
一見、普通に見えますが動きがぎこちなく、バランスが取れません。今年の2月25日の症例と同じ様な頭部(中枢神経)の異常と思われます。

ドバトではよく見かけ、ウイルスか細菌か、寄生虫か、いずれにしても脳炎があるのではないかと思っています。

野鳥であればこういう弱った生き物は捕食されて次の ”生” に命が引き継がれるのでしょうが、都会のど真ん中ではいわゆる輪廻転生も起こらないということでしょう。




ドバト
2003年7月9日


役所の方が市民からの通報で引き取りに行き、その足で連れてきて下さいました。
よくあるケースなんですが、動物病院を紹介して連れていってもらえばいいのに、高飛車な市民の方は引き取りに来ることを主張するそうです。(おそらく)公務員の方もそれぞれご自分のお仕事があり忙しいでしょうし、通報の度に引き取りに行って連れてくる、では、仕事にならんでしょう。税金でガソリン代と人件費を使ってドバトを救出、というのもなんやら無駄、かといって、ドバトやカラスなら放置し、めずらしい鳥なら出動というわけにもいかないでしょうけど。


見ての通り、あちこちの羽が抜けて飛べません。幸い、外傷はないようです。鳥は外敵に襲われたとき、羽を抜いて逃げるようです。特にハトは簡単に抜けます。
不思議なのは新しい羽が生えつつあること。抜けた直後ではなく数日間経っているでしょう。その間、どうやって生きていたのか?最近はノライヌもほとんどいないし、環境によっては飛べなくっても生きていけるんでしょうか?このまま、通報してきた人に見つからなければ羽が生えそろって飛んでいったのかも。




その後のスズメ
2003年7月9日


6月9日のスンちゃんはまだ病院にいます。ブーメランの如く、放しても同じ場所に帰ってきます。
この大きさから育ててここまで人慣れしてしまったのは初めてです。とくにそういう育て方をしたつもりはないのですが。
結局、元気なのに放鳥できない。複雑な気分です。
ペットにしてしまった、野鳥救護にあるまじき結果!ですねえ。

隙間を見つけるとすぐに出てくる。人の肩や頭、手以外には行かない。





その後のカラスたち
2003年7月9日


ハシボソガラス
上腕骨骨折のハシボソガラス(5月28日)にもらい手が見つかり、新居に引っ越しました。
外見的には異常がないように見えますが、羽ばたきもしないし骨自体が腫れています。レントゲンでも骨の一部に新しい骨を作る反応がなく、くっついていません。位置的には曲がっていないので長時間のリハビリでくっつくことに少しだけ期待しています。

ハシブトガラス
先天奇形の、6月11日の子です。
足を手術して調子が良く野生復帰を期待したとたん、先端部が壊死、骨折し、断脚を余儀なくされてしまいました。
残された足も床ずれで痛み、この足と尾羽で着地し
バランスが取れないので両翼をばたつかせます。結果、全体の羽がすりきれて痛みつつあります。
野鳥の会創始者、中西悟堂は「野の鳥は野に」とおっしゃったので、この子も野に置いて自然に任せる?ということは死ねというものですし。それが自然と言ってしまえばおしまいだけど。

メールで、全く同じケースを飼育しておられる方から相談がありました。
過去にも同じケースがいくつかあったので、ハシブトガラスではこういう奇形が多いのではないかと思っています。都会で生活しているから目立つ、見つかるのか、親が有害物質を摂取して奇形が生まれるのか、学問的に追及する方はおられないんでしょうか?個人的には有害物質と結びつけたいのですがねえ。
この子の今後については見通しが立たぬまま、また私自身の気持ちの整理もつかぬまま、今しばらく飼育が続きそうです。



ツバメ
2003年7月3日


ツバメがきました。
6月のツバメが急死した後ですので、ちょっと心配していましたが、餌付いて元気にしています。まっすぐは飛びますが方向変換が出来ないようで、気をつけないと壁にぶつかります。以前に外へ飛び出そうとして、ガラスにぶつかり亡くなった事故があったので、十分広いリハビリルームの必要性を感じています。