野鳥カルテ           


2005年  4−6 


2001年 9−12
2002年 1−3 4−6 7−9 10−12
2003年 1−3 4−6 7−9 10−12
2004年 1−3 4−6 7−9 10−12
2005年 1−3 4−6 7−9 10−12




アブラコウモリ       6月29日
ケリ             6月29日
スズメ サブロー     6月25日
ムクドリとコゲラの放鳥 6月16日
スズメ ジロー       6月15日
ドバト ジロー        6月14日
ドバト イチロー      6月11日
ハシブトガラス       6月7日
ゴイサギ           6月3日
ムクドリ 続き       6月2日
コゲラ            6月1日
スズメ イチロー      5月30日
ムクドリ ヒナ       5月23日
ヒヨドリ           4月8日
アブラコウモリ       4月4日
キジバト          4月2日



アブラコウモリ
6月29日


道にコウモリが死んでいて、その母親にくっついていたそうです。
私もこのサイズを手にするのは初めてです。
新生児は、洞穴で何回もお目にかかっていますが見ているのはキクガシラコウモリで、生まれた時点でアブラコウモリサイズです。
0.8g。一円玉に乗るしそれより軽い。ミルクを与えると飲みます。こんな大きさでも生きてるんだなあと実感させられます。
こういうケースを育てた記録はいくつかあるので、なんとか大きくしてやりたいなあ。

で、不思議なのはうちに来るまでのルート。
まず、近所の動物病院で高栄養流動食をもらったらしい。で、次に動物園に聞いたみたい。動物園では大阪府の緑の環境整備室(今は名前が違うかも)を紹介され、そこから博物館に回され、博物館がうちを紹介。役所の好きなたらい回しが生きているんですねえ。


残念ながらこの子は翌日に死亡しました。


ケリ
6月29日


主要国道の側溝に落ちていたらしい。最初は様子を見、何時間か後に再び通っても同じ所にいたので保護したと言うことでした。
が、そばに親がいたというしほぼ完全に誘拐?

親がいたというのは私の聞き違えでした。
さらに、保護後1日間はミルワームを自分で食べていたことも判明。なんでうちに来たとたん食べなくなったんだろう?
非常に残念。



スズメ サブロー
6月25日


猫が連れて帰ったそうです。巣立ちヒナです。
大腿骨骨折で足があっち向いています。意識程度もよくなく、ちょっとつらい。
猫が関係した保護はほとんど亡くなっています。

残念ながら、この後、亡くなりました。



ムクドリとコゲラの放鳥
6月16日


ムクドリとコゲラを放鳥しました。
両方ともバンドを付けて長居公園で。
こういう鳥にバンドを付けていいのかどうか、いろいろ調べましたが結局わからず。もちろん捕獲についての規制はあるので捕まえることが出来なければバンドは付けられない。でも、この子らは保護なので捕獲は合法。
もちろん鳥に負担があることは出来ないでしょうけど、この手の足輪は環境省でも使っている。
で、よくわからぬまま初めての試み。長居公園は鳥のカメラマンが多いので、再発見されれば写真を撮ってくれるかも。さらに、ケガや衰弱でもすれば博物館に持ち込まれることを期待しているのですが。

左足にB0380 この子は右足にNUA0360




スズメ ジロー
6月15日


巣立ちヒナと言うには少し小さすぎる。
両足が奇形で握った格好のまま広がりません。両側には広がらないので何とか立てるようですが、このままでは放鳥出来そうにない。
落ち着いたらリハビリ??




ドバト ジロー
6月14日


翼を下げてるけど、レントゲンや触診では異常がわかりませんでした。せっかく来たので採血もしてみたけど異常はわかりませんでした。(そもそも正常値の幅が広すぎて判断しづらい。)
風切り、尾羽が抜けていて生える途中。これだけで飛べないのかなあ。また、すでに1/3ほどの長さにはなっているのでその間、地上だけの生活で生きてきたのか。
鳥の種類によっては一度に風きり羽が抜けて、次が生えるまで飛べない種類もあったように思うけど、ハトがそんな換羽方法をするはずはありません。尾羽はすごく簡単に抜けるけど(ある意味では襲われた時のショックアブソーバー?)、風切り羽は少々の力では抜けないんですけどねえ。
とりあえず自分で食事しているので様子見。

初列風切りが生える途中。 尾羽も半分がはえかわり。




ドバト イチロー
6月11日


大阪市内で保護され、翌日遠いところから連れてきて下さいました。ありがとうございました。
うーん、巣立ちヒナというか子供というか。
外傷はありませんがガリガリに痩せています。親とはぐれた?ほかされた?誘拐?
1週間ほど飼えば自分で飛びそう。




ハシブトガラス
6月7日


今年は来ないなあ、と思っていたらやっぱり来ました。
電話で「足の変形」、というので覚悟していたけど、来てみるとたいしたことはない。そばに親もいたらしい。明らかに誘拐?この子に近寄ろうとすると親が攻撃してくるし、小学校が近いので危険と言うこともあって捕まえたらしいです。

かなり大きくなっているので慣れません。もちろんその方が良いのですがエサを与えにくい。ヒナなら勝手に口を開くのでほり込めばおしまい。この子は攻撃してくるので、口を開けたスキに団子をほり込むけど、的がよくはずれる。自分で食べそうな大きさなので、給餌しないで様子を見てみよう。

嘴も曲がりすぎのような気がしませんか? 

(この子は10日に放鳥しました。)



ゴイサギ
6月3日


友人の病院に持ち込まれたのをいただきました。
箱に「つつく。こわい。」って書いてあります。サギ類は目をねらってつつくというので有名です。
上腕骨の複雑開放骨折で、かなり時間が経過しているらしく骨が乾燥しています。体はガリガリ。ゴイサギ幼鳥の上腕骨骨折はたいてい治していたけど今回はとても無理そう。

サギ類はペットは無理だし引き取り手もないので、治らなければ安楽死しかありません。麻酔後、何とか努力したけど整復は無理で断翼。
衰弱が激しく、麻酔後起きていったん回復したように見えたけど数時間後に死亡しました。

うーん、残念。




ムクドリ 続き
6月2日


すっかり大人だけど、いまだに1日中ピーピー鳴いてます。
こんなんで野生で生きていけるんだろうか?
病院で放し飼いしているのであちこちウンコだらけ。




コゲラ
6月1日


来る時は続くようで、今度はコゲラの巣立ちヒナ、らしい。
何人かの手を経ているらしく、巣や親を見つけて戻すことは不可能、とのことでした。

体重16.8g。スズメと同じですね。出すと体を木と勘違いするのか、手足にまとわりついて登ってきます。
うーん、かわいい。




スズメ イチロー
5月30日


やっとスズメが来ました。
右の翼、次列と3列が羽が全くありません。外傷は見つからず。レントゲンでも骨の異常はありません。
ネコにやられたならもう少し何かが見つかる?だいいち生きてない?
先天的な異常があり、巣立ったけど親に見放された?
まあ、しばらく飼えばわかるでしょう。




ムクドリ ヒナ
5月23日


街路樹で保護したって話ですがムクドリでした。でも、ムクドリが木で繁殖するためは樹洞でも必要なんではないだろうか?都会では戸袋か看板の裏、排気口って決まってるんやけど。(たぶんちょっと前に、戸袋でヒナを保護したという電話がかかっていたのでその子だろう。連れてきた人の勘違い?)街路樹のむかえの家、って事にしておこうかな。
とりあえずすり餌で様子見、です。




ヒヨドリ
4月8日


博物館の鳥の学芸員から電話。ヒヨドリが持ち込まれていると言うことです。
ちょうど講演会を聞きに行くつもりだったので引き取ります、って言って、見てみると上腕骨の骨折です。
詳しくはわからないけど、保護して近くの動物病院へ連れて行くと骨折していると言われて飲み薬をもらったそうな。骨折に飲み薬?そんなええ薬があるなら私も欲しい。
でもって、次に博物館に連れて行くのも不思議ですね。

病院へ連れて帰りレントゲンを撮るとこんなんでした。

ピンニングしようと思い切開しましたが、筋肉の損傷が激しいのと肘側の骨折部がバラバラで固定できませんでした。やむなく断翼しました。うーん、すごく残念。

手術前。翼を下げる。 手術後。

その後、保護された方から連絡をもらいました。
博物館へ連れて行ったのは、近くの動物病院で、治らないから自分で飼育するようにと言われ、飼育方法の相談に行かれたらしいです。
学芸員はそういう相談を受けることがないので話がうまくつながらなかったのか。
結局、その方にお返しして、飼育して頂く予定です。



アブラコウモリ
4月4日


アブラコウモリづいています。団地(かな?)のベランダで保護したそうです。
保護時は少し食べたり飲んだりしたそうですが、来院後すぐに亡くなってしまいました。
4.4gの女の子。目が覚めた直後なんでしょうね。さすがにこの体重では軽すぎたようです。

団地のコンクリートの隙間は良く聞く話なんですが、私自身アブラコウモリの冬眠は確認したことがありません。友人の獣医さんの所では屋根裏に何十頭、という話も聞きましたがフタをしまくったらいなくなったとか。かわいそうというか、もったいないというか。




アブラコウモリ
4月2日


足が腫れて飛べない、とのことで、ずいぶん遠いところから連れてきて下さいました。
16日に保護され、ミルワームで飼育されていました。
♂、5,6gですので、冬眠あけで少し体重が軽いかなあ。

足根部が腫れています。一応レントゲンを撮ったけど小さすぎて関節の評価は出来ませんでした。
翼の何カ所にも穴があったので猫にでもやられたか、それにしては損傷が少なすぎるかな。足はちょっと厳しそう。
お嬢さんが熱心に世話をされていましたので飼育方法をお教えして、そのままお返ししました。といっても、目新しいこととか役に立つ話はあまりなく、そのままミルワームを与えて下さい、としか言うことはありませんでした。

とある本によるとアブラコウモリの♂は寿命が極端に短い。せいぜい1年と書いてある本もあります。
7月に生まれて離乳したと思ったら秋が来て、冬は冬眠、起きたらもう寿命?
洞穴性コウモリは長いものでは20年以上生きるのにこの差は何なんだろう?

何とか冬を生き延びたんだから、あとはゴハンを与えられゆっくりした人生(コウモリ生?)を過ごしてもらえばいいのでは?


キジバト
4月2日


猫が連れて帰ったそうです。
あちこち傷だらけ。
ちょっときびしいなあ。