野鳥カルテ 


2010年  6−8 


2006年 1−3 4−6 7−9 10−12
2007年 1−3 4−6 7−9 10−12
2008年 1−3 4−6 7−9 10−12
2009年   1−6   7−9 10−12
2010年 1−5   6−8     9−12
 




スズメ   8月27日
キジバト 8月16日
ヒヨドリ  8月9日
タヌキ   8月
タヌキ   8月1日
ハト 2例  7月21日
ツバメ   7月20日
タヌキ、アブラコウモリの画像   7月
ハシボソガラス  7月11日
ハシブトガラス  7月8日
スズメ    6月26日
スズメ    6月22日
ツバメ    6月7日
ハシボソガラス   5月30日
メジロ    6月6日
タヌキ    6月5日
ハシブトカラス    6月



スズメ
8月27日


スズメが来ました。巣立ちヒナサイズではないので、何らかの原因で巣から落ちたか、放棄されたのでしょうか?
このサイズからでも育てた話は時々聞くのですが、私は大きくした経験がありません。

呼吸がおかしく、翌日まで無理だと思っていましたが、翌日も元気でした。何とかなるかと思っていた矢先、急死しました。

残念でした。




キジバト
8月16日


なぜか、ドバト、と、言われて連れてこられました。
巣立ちヒナの、脛骨骨折です。



ピンニングをしました。
(術後レントゲン、省略)


*放鳥しました。



ヒヨドリ
8月9日


保護されて数日たつそうです。ネットを見て、遠くから来て下さいました。
便を見ると、粟玉のようなツブツブが見えます。植物食の鳥と言うことで、セキセイインコなどの食事を与える方が多いようですが、この鳥はそういうのはほとんど消化しません。
食事の指導をして、飼育を続けてもらうよう、依頼しました。




タヌキ
8月


スーパーマーケットに、皮膚病の犬が入り込んでいる、との通報で、行政が行ってみると、こんな動物だったそうです。保護され、こちらに連絡がありましたが、治療対象にはならない状態でした。野生動物なので放獣するべきなのかもしれませんが、都会でこの状態なら人への感染も考える必要があるでしょう。安楽死になりました。




タヌキ
8月1日


この頃は、このサイズばかり来ます。で、この大きさまで育っていると、全く慣れないようです。

前足がおかしい、との事で来院しましたが、後ろ足も不自由です。レントゲンで、とう尺骨の骨折、大腿骨横骨折、脛骨骨端剥離骨折を確認しました。




ピンニングをしました。
治るのかどうか、あとは本人次第です。


8月30日、大仙公園(仁徳天皇陵)にて放獣しました。一目散に、走って消えてしまいました。
手術後、一度も触らせてくれませんでした。




ハト 2例
7月21日


伝書鳩、と言うことで連れてこられました。脚輪を見ると、2010年の子。
見ての通り、片翼がダメです。


中手骨の開放骨折でした。


協会に連絡すると、関係者の方が引き取りに来られました。
さて、どうするんでしょうね。伝書鳩としての命は、終わってしまっていると思いますが。

その方との会話:
この頃、半分くらい帰ってけえへんねん。猛禽類とかにやられるんやろなぁ。泉大津にハヤブサがおって、だいぶん、それにやられてるらしい。愛護団体がおって、いまさら駆除できひんし。


泉大津のホテルのベランダで、数年前からハヤブサが繁殖しています。食べ残しの骨を、博物館で調べたことがありました。伝書鳩の脚輪が、ゴロゴロ出てきていました。どんくさいので、ねらわれやすいらしいです。
また、鳩舎に、オオタカが入り込むこともあるそうです。

今でこそ、動物愛護の問題もあって、連絡さえすれば必ず引き取るようですが、状態を連絡すると、もういらないから安楽死してやってくれ、と言われたこともあります。また、ある投書で、飼い主に連絡すると脚輪だけ送り返して欲しい、と言われたけど、脚を切らない限り、はずれない、どうやってはずすんだろう、というのが書かれているのを読んだことがあります。(どうも、殺してから脚を切って、という話だったらしい。)



もう1例は、ドバトのヒナ。ほとんど大人になりかけですが、食事をしないそうです。
うちで引き取るか、ご自分で育てるかの話になりましたが、結局、そのまま連れて帰られました。慣れれば食べるようになるでしょう。




ツバメ 2例
7月20日


ツバメの巣立ちヒナが来ました。
かわいい。


烏口骨の骨折です。
固まれば飛べるようになるはずですが、飛翔能力がどこまで
回復するかはわかりません。



もう1例は、飼育についての相談(みたいなもの)。(あ、画像はありません。)
すでに2ヶ月飼っておられ、自由に飛べるそうです。


そのまま飼育したいという意向でしたが、私自身、ツバメを越冬させたことはありませんし、知り合いで飼育していたツバメも、10月か11月になると急に死んでいるのがほとんどです。やっぱり、微妙な食事(栄養)のバランスがあるのでしょうか。

私は、飛べる子なら、9月くらいにねぐらで放鳥しています。その後どうなっているかは、何とも言えません。




タヌキ
7月


7月の豪雨の被害者、だそうです。どこからか、流れてきた、とか。
画像を頂いたので
、お借りして掲載します。
このサイズから人慣れしてくれるのかどうかは、微妙ですね。




アブラコウモリ
7月


コウモリの相談は、よくもらいます。たいていの方は、「コウモリの赤ちゃん」って、おっしゃいますが、そのほとんどは成獣です。
が、今回頂いた画像は、おっしゃるとおり、子供のようです。

文献的にはこのサイズでも育つようなのですが、私自身は経験がありません。元気そうなので、なんとか大きくなって欲しいものです。
(食事は、犬ミルクにミルワームのつぶした物を混合、と書かれている物が多いです。)




ハシボソガラス
7月11日


ネットをご覧になり、四国から連れてきて下さいました。遠いところ、ありがとうございます。

ハシボソガラスが巣ごとほかされており、ほとんど生まれたてから育てられたそうです。足の変形で立てませんでした。
栄養上の問題か、育て方か、と言うことを心配されておりましたが、どうなんでしょうね。立てないカラスというのは非常に多く、私は先天的な奇形のように思っています。片足はわりと普通だったので、(写真では写っていませんが)テーピングをすると立ってくれそうな気がしました。微妙なバランスなので、あとはカラスの保護者と本人にお任せすることにしました。




ハシブトガラス
7月8日


元気です。
公園で、人を見ると口をカーカー開けていたそうです。道路に飛び出して車にひかれそうになっていた、との事で、保護されたそうです。
ハシブトガラスは声も大きく、フンも多いのでペットになれるかどうか、微妙なところです。もちろん、飼育されている人も多いのですが。

翼も足も、異常は見つかりません。こういう性格の子は飛び方を忘れるのか、学習しないのか、する気がないのか、いつまでたっても歩いて生活します。異常がないからと公園に戻しても、また連れてこられる可能性は非常に高いし、山の中に「ほかして」、生きていけるのかどうか。とりあえず、しばらく飼育してから飛ぶ練習をするしかないでしょう。

もらってくれる人があれば、お渡しするのですが・・・・・。

*放鳥しました。



スズメ
6月26日


猫が連れてきたそうです。外傷が2,3カ所あります。巣立ちヒナにしては、大きめです。
コロコロ太っているなあ、と思ってよく診ると、空気が皮下に漏れて膨らんでいるようでした。どこかの気のうが傷ついたのでしょう。

で、翌日、死亡しました。やはり、猫が関係した子は生存率が低いです。

(生前の写真は撮り忘れました。)



スズメ
6月22日


昨年、今年と、スズメの保護が少ないなあ、と思っていたとたん、来院がありました。
両足が麻痺しています。元気もなく、強制給餌で、様子見です。

残念ながら、3日後、死亡しました。



ツバメ
6月7日


今月は、なんだか、いろいろ続きます。
元気ですが、片足が麻痺しています。

数日飼育すると、足の麻痺は治癒しました。
保護された方が、連れて帰られました。




ハシボソガラス
5月30日


上腕骨の骨折です。が、ガリガリに痩せています。
巣立ったけど親に見放され、うろうろしているうちに事故にあった、という感じでしょうか。


ワイヤをかけて、固定しました。

さて、飛べるようになるのかどうか。五分五分か、それ以下かもしれません。
保護された方が自宅でリハビリして下さっています。



その後、骨はくっつきましたが、飛ぶ気がないらしく、走って暮らしています。一生飼育になるかもしれません。



メジロ
6月6日

家の近くで、拾われたそうです。
誘拐かとも思いましたが、まだ巣立ちの大きさではないようです。巣が、カラスにでもやられたのでしょうか?(そうなると、生きていないか。)

ピーピー口をあいて、かわいい。
お子さんがおられたので、勉強のため育ててみたら?、ってお勧めしました。


いつだったか、公園事務所から、お客さんがメジロのヒナを連れてきたが、そちらに搬入してよいか、との電話がありました。さすがに、それは、すぐにもといたところに返すように伝えました。



タヌキ
6月5日


八尾市のタヌキです。保護場所をチェックすると、八尾空港が近いのでそこで生活していたのか、大和川も遠くないのでそこから来たのでしょうか?

全く、人慣れしません。つかもうとすると噛みに来るか、逆にタヌキ寝入りで、つかんでしまうと無抵抗になります。箱の隅っこで、ずっと固まっています。


*7月10日に放獣しました。結局、一度も触らせてもらえませんでした。



ハシブトガラス
6月


電話が来ました。弱ったカラスが公園にいる、って話です。近くに親がいるらしいですが、かなり人の多い公園なので親が近寄れない、って話でした。
自分ではご飯を食べないので、給餌しようとするがうまくいかない、とのことです。

まず、育てるなら栄養不良の改善にはカテーテル給餌も必要かもしれない、ただ、こういうカラスは育てても野生復帰は非常に難しく、一生飼う覚悟がないのであれば、そのままにしておくか、安楽死しかないと思うと伝えると、安楽死は出来ない、との話でした。

動物愛護と野生救護とは微妙に違うのが現実で、私が野生復帰できない鳥であってもとりあえず治療するのは、自己満足にすぎません。こういう活動に正解はなく、私の考え方を受け入れてくれるなら何でも引き受けるし、そのかわり、以降の処置についても了承して欲しいと思います。もちろん、今回のケースは考え方が非常に違ったので話だけに終わってしまいましたが、ネットでうちを調べて電話をかけてきているなら、ある程度、こちらの考え方も理解してから問い合わせてきて欲しく思います。